おばあちゃんのきんぴらごぼう

大学進学で家を出ていた私が
帰省した時に言ったこと

「おばあちゃんの作る
きんぴらごぼうが一番美味しい」

それ以来、帰るたびにおばあちゃんは
きんぴらごぼうを作ってくれた。

でも、いつからかおばあちゃんは
作らなくなった。それはとても自然で
いつからなのかわからないくらい、
こうして書くまで作らなくなったことに
気づかなかったくらい自然だった。

先日、帰省した時おばあちゃん言った。
「みほちゃんは結婚したの?」

隣には私の旦那がいる。
私が結婚したのは4年前だ。
それまでに何度も一緒に帰っているし
顔を合わせてもいる。

「ボケちゃって嫌だね」と
おばあちゃんは笑った。
「おばあちゃんってば」と
私も笑った。

いつか笑えなくなる時が来るのかなぁ。
その時、悲しいのか、寂しいのか、怒るのか。

でも、それは考えてもわからないから
今、笑い合えることが私にとって唯一だ。

老人の手

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