「靴下を履かないのは、みほちゃんだけです。」
昔、保育園の先生が、母にそう言ってたな。
今なら「石田純一は?」って言うんだけど。
とにかく私は、靴下が好きじゃなかった。

「裸足で歩いていい?」
家族で行った遊園地で、歩き疲れた私が
そう言ったら、母に瞬殺で却下された。
疲れると、靴を脱ぎたくなった。
裸足が一番、好きだったな。

買ったばかりの雨用パンプスで出かけた今日。
雨風が強すぎて、靴の中は結局びっしょり。

「あー。裸足で歩きたい。」
そう思ったら、靴下も靴も好きじゃなかった
あの頃の自分が、急に浮かんできたのでした。

もう30歳なので、脱がないけど。
もしも裸足で歩いたら、どうなるかな。

「靴下を履かないのは、みほちゃんだけ。」
そう言われても、それでも靴下を履かなかった
あの時の自分も、結構好きだったな。

あの時の小さな私、裸足の私を、
ちょっと抱きしめてあげたくなった。
「裸足で歩いてもいいんだよ。」って。

浜辺に立つ子供

カウンセリングでも、そんな風に
子供の頃の自分、インナーチャイルドを
抱きしめたり、声をかけたりすることがある。
たとえ何か大きなトラウマがあるわけでは
なくても、それはとても温かくなるような、
ほんの少し泣きたくなるような、大切な
ことなんだな、と思う。