何かを始めるのは難しい。
何かを止めるのはもっと難しい。
損するのは嫌だから。
先にある得より目の前の損を避けたいから。

 

新しいことを始めるのは勇気がいります。
初めてのことなのだから、恐怖や不安、躊躇い、
そんな気持ちがあって当然です。
でも「何か得られる」「成長できる」「ワクワクする」
そんな気持ちもあるならば、あとは踏み出すだけ。
案外、思いきってできるものかもしれません。

 

けれども、
一度始めたことを止めるのはとても難しい。
人は「損することを嫌う」もの、だからです。

 

会社で進めているプロジェクト。
進めるうちに、このままでは失敗に終わりそうだと
誰もが感じているのに、ただただ進行していく、
そんなことってないでしょうか。

 

株を買ったことがある方は
株価が下がってしまったけれど、
「いつか上がるかもしれない」そう思って
持ち続けるうちに、もっともっと下がってしまった
そんな経験はないでしょうか。

 

この2つはどちらも同じ
「損したくない」という気持ちから生まれます。

 

プロジェクトにかけた時間、労力、コスト、これまで積み上げてきたもの…
止めたら全てが無駄になってしまう、そんな気持ち。

 

でも、たとえプロジェクトを止めたとしても
それらは無駄なものだったのでしょうか。
そこで培った経験、ノウハウ、そういったものは
かけがえのない財産です。

それを活かして新たなプロジェクトを始めたら
きっと前より良い結果になる。
そうした方が、結果的に損も少なく済むのです。

けれども、止めることができずに突き進んでしまえば
取り返しのつかない損失を生むことになってしまう。

株も同じですね。
早めに損切り(損が出ている株を売ること)して
マイナスを最小限に抑えて
残った資金を新しい株に回すほうが良い、ということです。

 

今、少ない損をすることで、長期的には得になる。

 

でも、もったいないとか、今までの努力がとか、
そんな風に感じてしまうから
わかっていても、目の前の損を受け入れることは
なかなか難しいことなのです。

また止めることは諦めること、諦めるなんてダメだ、
そんな気持ちもあるでしょう。
諦めてはいけない、それは時に執着に変わります。

 

止めることは、捨てることとは違います。
止めることは、諦めることとも違います。

 

止めることは手放すこと。
手放したら巡り巡って自分のために帰ってきてくれる。
帰ってきたそのときに、目一杯、掴めるよう
放したその手を空けておくこと。

止めることが、より良い道につながる、そんなこともあるのです。

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